エイジフレンドリー補助金は、高齢者を含む労働者が安心して安全に働くことができるよう中小企業事業者による高年齢労働者の労働災害防止対策やコラボヘルス等の労働者の健康保持増進のための取組に対して補助を行うものです。
労働災害のうち60歳以上の労働者が占める割合は高く、近年、労働力人口に占める65歳以上の割合が毎年上昇し続けていることから、今後、労働災害が増えるという可能性もあります。そのために、高年齢労働者が安心して安全に働くことができる職場づくりが必要になります。
そこで令和2年度からエイジフレンドリー補助金が新設され、令和5年現在まで毎年募集が行われています。
内容と要件
令和5年度の募集では、高年齢労働者の有無に関係なく受けることができるコラボヘルスコースが設けられ、2コースとなっています。申請期間は令和5年6月12日から令和5年10月末日までとなっています。
それぞれのコースの要件は以下のとおりです。
高年齢労働者の労働災害防止対策コース | コラボヘルスコース | |
対象事業者 | (1) 労災保険加入している (2) 中小企業事業者 (3) 高年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇用し、対象の高年齢労働者が対策を実施する業務に就いている | (1) 労災保険加入している (2) 中小企業事業者 (3) 労働者を常時1名以上雇用している |
補助対象 | 高年齢労働者にとって危険な場所や負担の大きい作業を解消する取組に要した経費(機器の購入・工事の施工等) | コラボヘルス(医療保持者と事業者が積極的に連携し、明確な役割分担と良好な職場環境のもと、労働者の予防・健康づくりを効果的に実行すること)等の労働者の健康保持増進のための取組に要した経費 |
補助率 | 1/2 | 3/4 |
上限額 | 100万円 (消費税を除く) | 30万円 (消費税を除く) |
(注意事項)
※2コース併せての上限額は100万円です。
※2コース併せた申請の場合は、必ず2コース同時に申請してください。
(月を変えて別々の申請はできません)
※この補助金は、事業場規模、高年齢労働者の雇用状況等を審査の上、交付を決定します。
全ての申請者に交付されるものではありません。
(厚生労働省 エイジフレンドリー補助金についてより)
補助対象となる主な取組例
高年齢労働者の労働災害防止対策コースで転倒等の災害防止のため、階段への手すりの設置や高所作業台の導入があります。他にも、熱中症リスクの高い暑熱作業のある事業場における休憩施設の整備があり、暑熱作業のある事業場における休憩施設に限られはしますがエアコンの設置なども補助の対象となります。
最後に
若年労働力人口の割合が減少傾向にあるなかで高年齢労働者の割合は増加し続けています。それに伴い定年年齢の引上げや65歳までの継続雇用制度の導入、定年の廃止など定年後も働きたいと考えている労働者の希望に沿える体制が整ってきています。しかし、長く働ける制度を整えるだけでなく、高年齢労働者があんしんして安全に働き続ける職場環境も整える必要があると言えます。
申請期間が残りわずかとなっておりますのでご興味のある方はお早めに厚生労働省「エイジフレンドリー補助金」で詳しい内容をご確認ください。