【コラム】令和6年度から徴収開始 森林環境税は1,000円

森林整備等に関する税金です

森林環境税は、パリ協定(気候変動問題に関する国際的な枠組み)の下に、温室効果ガス排出削減目標の達成や、災害防止を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設されました。
徴収方法は、住民税の均等割と併せて1人年額1,000円が徴収されます。森林環境税は国税なのですが、住民税と併せて徴収されるというちょっと変わった扱いになります。徴収した森林環境税は、一度国に納付された後に、その税収の税額が「森林環境譲与税」として、区市町村・都道府県に按分され譲与される仕組みになっています。

増税だが負担増ではない?

森林環境税という新たな税の導入で「増税か」と思われる方もいらっしゃるでしょう。平成25(2013)年度から令和5(2023)年度の10年間、「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」により、都道府県民税500円、市区町村民税500円が加算されていましたから、この臨時的措置との入れ替わりに森林環境税が導入されるため、額面を見ると支払うべき税が増えるというわけではありません。

先行して譲与が行われているが…

令和元(2019)年度から、徴収する森林環境税に先駆けて、国庫から都道府県・市区町村には森林環境譲与税が配分されています。配分基準は「私有林や人工林の面積に応じて50%」「人口に応じて30%」「林業従事者数20%」となっているため、森林とは縁遠い都市部の自治体にも多額の税金が配分されます。
都市部においても例えば「森林体験ツアーの助成」や「学校で使用する机・いす等の国産材を使用した製品の購入」などに活用している自治体もありますが、使用用途が定まっておらず、基金として積み立てている自治体も多いようで、NHKの報道によると、2019年度からの3年間で約840億円が配分された内、約395億円が未活用とのことです。