【コラム】国税の信託型SOへの見解と税制適格SOの株価算定ルール

信託型ストックオプションの概要

信託型ストックオプション(以下、ストックオプションをSOと記載)とは、SOの権利行使価額を発行時点の時価とし、発行時点ではなく後で、付与対象者および付与数を特定し発行できる特徴があります。そのため、将来採用する人材に、入社後の成果や貢献度等を見てからSOの付与が可能です。
課税においては税制適格SOと同様に行使時、株式売却の2つの課税タイミングのうち、行使時は給与所得課税最大55%が無く、株式売却時に20%の譲渡課税のみとの認識で、スタートアップ等の急成長する会社において、多く利用されておりました。

国税庁の見解とスタートアップへの影響

2023年5月29日に国税庁と経済産業省によるSO税制説明会が開催され、信託型SOについては行使時に給与課税として処理される旨が説明され、過去の行使および売却した分についても過去5年に関しては遡及して納税義務を負うとのことでした。これまで上場企業含めて約800社が信託型SOを導入しており、スタートアップに及ぼす影響は少なくないと考えられます。

SOに対するスタートアップの今後の動き

SO税制説明会では、税制適格SOの株価算定ルールもあわせて説明されました。これまでの業界標準とは異なり、株価算定時にセーフハーバーとして純資産法での算出が可能というものでした。これにより、スタートアップはこれまでと比較しても安価にSOの付与が可能になるため、今後スタートアップへの転職者が増える可能性があると思えるものでした。
なお、税制適格SOとは、ある一定の条件(譲渡禁止、年間権利行使に限度額がある等)を満たすことで、SO行使時、株式売却の2つの課税タイミングのうち株式売却時に20%の譲渡課税のみというものです。