令和5年10月1日からスタートする、インボイスの実際の実務に関わる取り扱いをご説明します。
一般的な概要
(売手側)
売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
(買手側)
買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイスの保存等が必要となります。
(適格請求書の記載事項)
- 登録事業者の氏名または名称及び登録番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 税率ごとに区分して合計した対価の額及び適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
細かい対応点
「国税庁 インボイス制度に関するQ&A」から一部抜粋
口座振替・口座振込による家賃の支払い
問93 請求書や領収書の交付を受けない取引の場合、請求書等の保存要件を満たすためにはどうすればよいですか。
答 適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書とともに通帳を合わせて保存すること。令和5年9月30日以前からの契約については、別途、登録番号等の記載が不足していた事項の通知を契約書とともに保存。
古物商等の古物の買取り等
問103消費者からの仕入れは、仕入税額控除を行うことはできないのでしょうか。
答 一定の事項を記載した帳簿を保存することで仕入税額控除が認められます。
一定の事項を記載した帳簿とは、「①課税入れの相手方の氏名又は名称及び住所又は所在地」、「②課税仕入れを行った年月日」、「③課税仕入れにかかる資産又は役務の内容」、「④課税仕入れに係る支払対価の額」、「⑤帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨」です。古物台帳には①から④の事項が記載されています。よって⑤の事項も必要となるため古物台帳と⑤の事項について記載した帳簿(総勘定元帳等)を合わせることで帳簿の保存要件を満たすことができます。
このように、口座引落や請求書がない場合でもこのように取り扱いが違うため、一度国税庁のホームページの「インボイス制度に関するQ&A」を確認することをお勧めします。詳しくは担当者にご相談ください。