製造業は生産性が重要?
1個・売価100円・材料費10円・外注費10円・年間人件費1,000万円・その他経費1,000万円の会社で1年間に25万個売れた場合で考えてみます。
①25万個作って25万個売れた場合
売上2,500万円-(材料費250万円+外注費250万円+人件費1.000万円+その他経費1,000万円)=製造利益0
②50万個作って25万個売れた場合
売上2,500万円-(材料費500万円+外注費500万円+人件費1,000万円+その他経費1,000万円-期末在庫1,500万円)=製造利益1,000万円
②の方が倍作って売っているため1個当たりのコストが安いということになります。キャッシュフローで見ると?
①25万個作って25万個売れた場合
入金は2.500万円、出金も2,500万円でトントンです。
③50万個作って25万個売れた場合
入金は2,500万円、出金は倍作っているので3,000万円になり500万円のマイナスです。更に利益が出ておりますから税金もかかってきます。
生産性かキャッシュフローか?
経営者としては、売上予想が25万個の場合、50万個作って在庫にするか25万個に留めるか難しい選択となります。
25万個の場合は人件費やその他経費が50万個より少ないだろうというご意見もあろうと思いますが、半分にはなかなかできませんから、若干利益は出たとしても1,000万円の製造利益は難しいと思います。
損益分岐点売上は?
損益分岐点売上とは原価を変動費と固定費に分け、何個売れれば固定費を回収できるかという考えに基づいた売上です。今回の例で計算すると、1個の限界利益=粗利益は100円-材料費10円-外注費10=80円(80%)です。固定費は人件費1,000万円その他経費1,000万円で合計2,000万円です。2,000万円÷80%=2,500万円が損益分岐点売上です。要は25万個以上売らないと利益は出ないことになります。
50万個作るか25万個に留めるかそこが問題です。